ヒカリノ公認心理師ノート

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診断基準を覚えよう〜統合失調症〜

国試対策で欠かせない分野の1つに精神医学があります。
なかでもDSM5やICD-10の診断基準は必ず問われます。

この記事では、統合失調症の診断基準を覚えましょう。

以下に全文を記載しますが、
強迫的に一言一句を丸暗記する必要はありません。
赤字部分のキーワードは必ず覚えるようにしましょう。

ポイントを押さえれば暗記項目はさほど多くなく、覚えるのもラクになります。

覚えるポイント
Aは主症状。数字や用語を正確にしっかり覚える!
Bは「病前と比べて著しい機能低下が起こっている」という意味
Cは病気の期間の説明。病状が6ヶ月以上、その中で基準Aの主症状が1ヶ月以上あること
D〜Eは鑑別診断。Dは統合失調感情障害、抑うつ障害、双極性障害。Eは物質使用の影響。
FはASDなどが背景にあった場合の追加診断の説明。


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統合失調症の診断基準(DSM-5)全文

A. 以下のうち2つ以上、おのおのが1カ月間(または治療が成功した際はより短い期間)ほとんどいつも存在する。これらのうち少なくともひとつは(1)か(2)か(3)である。
⑴妄想
⑵幻覚
⑶まとまりのない発語(例:頻繁な脱線または滅裂)
⑷ひどくまとまりのない、または緊張病性の行動
陰性症状(すなわち感情の平板化、意欲欠如)

B. 障害の始まり以降の期間の大部分で、仕事、対人関係、自己管理などの面で1つ以上の機能のレベルが病前に獲得していた水準より著しく低下している(または、小児期や青年期の発症の場合、期待される対人的、学業的、職業的水準にまで達しない)。

C. 障害の持続的な徴候が少なくとも6カ月間存在する。この6カ月の期間には、基準Aを満たす各症状(すなわち、活動期の症状)は少なくとも1カ月(または、治療が成功した場合はより短い期間)存在しなければならないが、前駆期または残遺期の症状の存在する期間を含んでもよい。これらの前駆期または残遺期の期間では、障害の徴候は陰性症状のみか、もしくは基準Aにあげられた症状の2つまたはそれ以上が弱められた形(例:奇妙な信念、異常な知覚体験)で表されることがある。

D. 統合失調感情障害と、「抑うつ障害または双極性障害、精神病性の特徴を伴う」が以下の理由で除外されていること
活動期の症状と同時に、抑うつエピソード、躁病エピソードが発症していない
活動期の症状中に気分エピソードが発症していた場合、その持続期間の合計は、疾病の活動期および残遺期の持続期間の合計の半分に満たない。

E. その障害は、物質(例:乱用薬物、医薬品)または他の医学的疾患の生理学的作用によるものではない。

F. 自閉スペクトラム症や小児期発症のコミュニケーション症の病歴があれば、統合失調症の追加診断は、顕著な幻覚や妄想が、その他の統合失調症の診断の必須症状に加えて少なくとも1カ月(または、治療が成功した場合はより短い)存在する場合にのみ与えられる。