ヒカリノ公認心理師ノート

自分の試験勉強用ノートとして活用してます。ご自由にご覧ください。たまに試験対策や最新情報も載せます。

WISC-Ⅴについて〜前版からの変更点〜

進化し続けるウェクスラー検査。
新版が出るたびに、ツッコミどころもありますが、総合的には使いやすくなっている印象です。今回のアップデートではどんな変更が加わっているのか紹介します。
最後に私ヒカリノの現時点の感想も書いておきます。

日本文化科学社の公式サイトより

【WISC-V知能検査の特徴・変更点】

・検査の構成がFSIQ、主要指標、補助指標の3つの指標レベルで行うことができるようになった。
・FSIQを含め11の合成得点が算出できるようになった
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・知覚推理指標がなくなり、視空間指標と流動性推理指標に置き換えられた。

・下位検査は全部で16あり、主要下位検査(10)と二次下位検査(6)の2つのカテゴリーに分類される。

・新しい下位検査として「バランス」「パズル」「絵のスパン」が追加。

・「数唱」の課題に「数唱:数整列」が追加。

・「語の推理」と「絵の完成」はなくなった。


【ヒカリノの所感】
●知覚推理が「視空間指標」と「流動性推理指標」に分かれたのは解釈や所見作成がしやすくなると思います。
なぜなら、視覚優位な被検者は、流動性知能が高くなくても知覚推理指標は高くなる傾向があったからです。

●数唱に「数整列」が加わったのはWAIS-Ⅳを踏襲したカタチですね。これも個人的には良い改訂だったと思います。

●「語の推理」は小学校低学年以下の子達には難しいことが多かったので、削除されて良かったのではと感じます。

削除理由は英語版を参考にすると下記の通り。
語の推理(Word Reasoning)
言語理解の指標を出すにあたって、余分。
知識と高い相関もあるから別にやらなくてもいいとの理由で削除。

絵の完成(Picture Completion)
他の下位検査と同程度に、空間視覚に関する能力を代表しているとは言えないので削除。

とのこと。


●「絵のスパン」はどんなものか気になります。視覚性のワーキングメモリーを測れるなら良さそうですね。