ヒカリノ公認心理師ノート

自分の試験勉強用ノートとして活用してます。ご自由にご覧ください。たまに試験対策や最新情報も載せます。

来談者中心療法の小話

先日の現◯者講習にて
来談者中心療法に関するお話がとても面白かったのでご紹介します。

ロジャーズは来談者中心療法を提唱した後
かなり初期の段階で「この技法は約3割の人にしか効果がない」
ということを自分で認めていたそうです。

その理由は、この技法の絶対条件として
クライエント側に「照合能力」が備わっていること
が必要だったからです。

「照合能力」とは
Clが自分の発言や感覚が合っているか、しっくりくるか等を内面で確かめる過程・作業のこと


では、なぜ照合能力が必要なのか
セラピーの流れで具体的に説明します。

来談者中心療法では、
クライエントの発言を、セラピストが正確に伝え返します。

Cl「最近よくイライラするんですよね。」
Th<最近よくイライラするんですねぇ。>

という感じで、正確に伝え返します。
するとClはThの言葉を聞いて
それを自分の内面と照らし合わせます。

(Clの内面:「最近」って言ったけど、ここ2~3日だったかな)
これが照合能力です!

そして、それをThに伝えます。
Cl:「最近ってか、ここ2~3日くらいですね」

それを受けて、Thはまた正確に伝え返します。
Th:<ここ2~3日くらいイライラするんですねぇ>

それを聞いてClはまた内的照合をします。
(Clの内面:「イライラ」って言ったけど、なんかしっくり来ない・・・なんか、ムカッとする感じなんだよな)

それをClはThに言います。
Cl:「イライラってか、ムカッとするんですよね」

Thはひたすら正確に伝え返します。
Th:<ここ2~3日くらいムカッとするんですねぇ>

(Clの内面:てか、なんでオレ、ムカッとしてんだろ・・・あっ、そいや、なんか上司にムカついてたわ)〔内的照合からの気づき

Cl:「なんか上司にムカついてるんですよね」
Th:<ここ2~3日上司にムカついてるんですね>

それを受けて、Clはまた内的照合をする・・・・


・・・・という感じで、来談者中心療法は進んでいきます。
これにより、Clは自己の内面と向き合い
内省が促され、気づきを得て、自己一致へと向かっていくわけですね。


逆に、内的な照合能力が皆無のClにこれをやると・・・という例も、先生が紹介してました。
面白かったので一部紹介します



Cl:「昨日カウンセリング終わったあと、牛丼屋いきました」

Th:<昨日カウンセリング後に牛丼屋行ったんですねぇ>

Cl:「牛丼の並、食べました。」

Th:<並、食べたんですねぇ>

Cl:「そんで、家帰って、眠かったので、寝ました」

TH:<家帰って、眠かったから寝たんですねぇ>

Cl:「そんで朝起きて、また牛丼屋行きました」

Th:<翌朝、また牛丼屋行ったんですねぇ>

Cl:「今度は、大盛り食べました」

Th:<今度は大盛り食べたんですねぇ>

・・・・・これ、どこまで続けても同じ展開ですよね(笑)

(一同爆笑)


来談者中心療法について、
これほどシンプルで具体的に聞けたのは初めてだったので感動しました。