【ノート】障害者総合支援法
2006年(H18年) 障害者自立支援法
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2013年(H25年) 障害者総合支援法
背景
日本の法律は従来、身体障害、知的障害、精神障害などの障害の区分ごとに縦割りで支援サービスが提供されており、障害の区分ごとに受けられるサービスの上限に不均衡が生まれる等の課題が生じた。こうした制度上の課題を解決し、誰しも平等に支援を受けられる体制を確立するために、2012年に障害者自立支援法から「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」(障害者総合支援法)へと改正された。
目的:(第一条)
障害者および障害児が基本的人権を共有する個人としての尊厳にふさわしい日常生活又は社会生活を営むことができるよう、必要な障害福祉サービスに係る給付、地域生活支援事業その他支援を総合的に行い、もって障害者および障害児の福祉の増進を図るとともに、障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重し安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする
第4条「障害者」の定義
18歳以上の身体障害者、知的障害者、精神障害者(発達障害も含む)、難病を患っている一定程度の障害を負う者
第6〜76条 自立支援給付
障害の種類にかかわらず、全国一律に給付される障害福祉サービス
- 介護給付:介護が必要な障害者・児への支援・介助
- 訓練等給付:共同生活や就労を希望する障害者への支援
- 自立支援医療:障害の軽減を図り、自立した日常生活・社会生活を営むために必要な医療
- 更生医療(身体障害者への医療)
- 育成医療(身体障害児への医療)
- 精神通院医療(通院医療費の公費負担)
自立支援給付の財源:国50%、都道府県25%、市町村25%
第77〜78条 地域生活支援事業
- 市町村:①相談支援、②コミニケーション支援、③日常生活用具給付・貸与、④移動支援、⑤地域活動支援センター、⑥福祉ホーム など
- 都道府県:広域的な対応が必要な事業、人材育成 など
↑①相談支援の分類
①「基本相談支援」市町村による支援
②「計画相談支援」障害福祉サービス等の利用計画を作成、モニタリングする。「サービス利用支援」と「継続サービス利用支援」がある。
③「地域相談支援」地域生活に向けた準備、連絡体制の確保や緊急時の対応行う。「地域移行支援」と「地域定着支援」がある。
「地域定着支援」では入所施設や精神科病院から退所・退院し、又は家族から独立して居宅で単身生活を送る人に対して、携帯電話等によって常時の連絡体制を確保し、緊急時には必要な支援を行う。
サービス支給決定までの流れ
自治体の役割
「厚生労働大臣」
自立支援給付の円滑な実施を確保するための基本的な指針を定める
「都道府県知事」
介護給付費等に関わる処分の審査請求事案を取り扱う
「都道府県」
・精神通院医療の支給認定を行う
・障害児入所給付費の給付決定(入所給付決定)を行う
「市町村長」
指定特定相談支援事業者の指定
「市町村」
・更生医療と育成医療の支給認定
・障害児通所給付費の給付決定
その他
2018年には、障害者の地域生活充実のため、「自立生活援助の創設」や「就労定着支援の創設」を予定。
また、障害児支援のニーズの多様化へのより細かい支援の充実のため、「医療的ケアに対する支援」や「訪問型の児童発達支援の創設」を予定。