ヒカリノ公認心理師ノート

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ブリーフセラピー②〜解決志向アプローチ〜

ブリーフセラピーの代表的な手法として、解決志向アプローチというものがあります。

【解決志向アプローチとは】
解決志向アプローチ(Solution Focused Approach)とは、アメリカのBFTC(Brief Family Therapy Center)で研究され、 ティーブ・ド・シェイザー(Steve de Shazer)、インスー・キム・バーグ(Insoo Kim Berg)を中心に開発されたカウンセリング(心理療法)の理論です。 家族療法にルーツを持つ短期療法(ブリーフセラピーの1つです。 『ソリューションフォーカスアプローチ』や、『解決志向ブリーフセラピー(Solution Focused Brief Therapy)』とも言われ、 『SFA』や『SFBT』と略されることもあります。

このアプローチの最大の特徴は、
「問題やその原因、改善すべき点」を追求するのではなく、解決に役に立つ「リソース=資源(能力、強さ、可能性等)」に焦点を当て、それを有効に活用することにあります。

「何がいけないのだろう?」と考える代わりに「自分が望む未来を手に入れるために、何が必要なのだろう? 何が出来るのだろう? どうやったらできるのだろう?」と考え、一緒に解決を創り上げていきます。


【解決志向アプローチの中心哲学】

ルール1 上手くいっているなら、変えようとするな
ルール2 一度でも上手くいったなら、またそれをせよ
ルール3 上手くいかないなら、何か違うことをせよ

人は問題に悩まされているときや、心理療法の経過がおもわしくないときなどは、この3つのルールのいずれかに反した行動を取っている可能性が高いといえます。


【その他の基本理念】

1.変化の重視
解決志向アプローチでは、「変化は絶えず生じていて、変化は必然である」と考えます。
逆に、変化しないということは、そこに変化しないような力が働いていると考えます。
このようなクライエントの問題や悩みを保持し続けている『問題維持システム』に介入することで、必然的に変化が起こってくると考えます。

また、解決志向アプローチでは、「小さな変化は、大きな変化を生み出す」と考えます。
「重要なものからてはなく、変化が生じやすいものから取り組んでいく」というのが基本スタンスです。

2.クライエントこそ専門家
解決志向アプローチでは、「クライエントこそクライエントの人生の専門家である」と考えます。
カウンセラーはカウンセリングの専門家ですが、クライエントの人生についての専門家ではありません。
クライエントのことを一番よく知っているのはクライエント自身です。
しかだって、解決志向アプローチは、クライエントの考え方や価値観について、クライエントから教えてもらうことが大切にします。こういった姿勢は、「Not Knowing の 姿勢」と呼ばれています。

3.3段階の解決像
『解決像』とは、クライエント自身が望んでいる、より良い状態や、快適な状態、望ましい自分自身についてのイメージです。

解決志向アプローチでは、カウンセラーが色々な質問を工夫して、クライエントの心の中に眠っている解決像が明確になるように働きかけていきます(解決像の構築)。


3つのレベルの解決像
第1のレベル:義務や必要のレベルの解決像
「~しなければならない」という言葉で表現されるような解決像

第2のレベル:願望や希望のレベルの解決像
「~したい」という言葉で表現されるような解決像。

※第1・第2レベルの解決像は、言外に「でも、できない」とか「でも、むずかしい」などというニュアンスを含むことが多い。

第3のレベル:「必然的進行」の解決像
未来の自分についての「~する」「~している」などと断定した表現の解決像。
「当然そうなる」というニュアンスが含まれている。

もちろん「必然的進行」レベルの解決像を構築していくことが大切です。
 
また、解決像は具体的で自分自身のことについて肯定的な言い方で表現されていることが大切です。


リソース

リソース(resource)とは「資源」という意味です。リソースには、クライエント自身が持っている内的なリソースと、クライエントの周囲にある外的なリソースの2つがあります。

内的リソースの例
良い面や良い点・得意なこと・好きなこと・秀でた能力などの個人の資質

外的リソースの例
助けてくれる友人や家族、所有しているツールや物品、社会資源、福祉制度

加えて、本人の思い込みや不器用さなど一見マイナス面と思われる要素や、問題や症状と関連している事柄であっても、捉えよう活かしようによってはリソースとなります。

クライエントは、リソースをたくさん持っている(リソースフルな)存在です。
解決志向アプローチにはクライエントの持っているリソースを信頼し、見つけ出し、活用する姿勢が根本にあります。



出典元
解決志向アプローチを知ろう - リソースポート|茨城県守谷市